『森羅特装シュラバスター』について

代表がシュラバスターについて徒然と書いたものです。
(長いので…笑)お時間ある時の読み物などにどうぞ…。

 

 ◎どうして「作ろう」と思ったか

尾張旭市から直線距離で南南東約40kmのところに幸田町という町があり、そこには『幸戦隊コウタレンジャー』という先輩ヒーローがいます。

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2008年の話になりますが、私(代表)が陣中見舞いを兼ねてコウタレンジャーのショーを観に行くと、会場である「ハッピネス・ヒル・幸田」のステージ前は開演30分前から座る場所に困るほど埋まり、子どもたちは開演を待ちながらコウタレンジャーの話題で盛り上がっていました。

テレビで観るわけでもないオリジナルのヒーローに、子どもたちがこれほどの熱量を持って食いついている…。

そのあと始まったショーに引き込まれる姿も含めて、その事実に鳥肌が立ったのを14年経った今でも鮮明に覚えています。

 

あの熱気、盛り上がりを我が地元・尾張旭でも実現できないか…。

そこがすべてのスタートです。

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※写真は風牙だけ先行デビューさせた「ローカルヒーロー大決戦」(2009年3月29日 道の駅 信濃路下條)の1シーンです。

このときコウタレンジャーさんとオレパンダーさん(左)には大変お世話になりました。

 

幸いなことにショーのノウハウはある。

 

競合相手も(当時は)いないので、制約なくやれる。

 

衣装や小道具は拙いながらも極力手作りで頑張る。

 

人は…いない。

 

1人でキャラクターショーは出来ませんので、とあるWeb掲示板(当時はまだSNSという言葉は確立していませんでした)で思いの丈を熱く語った(はずです)ところ、運よく賛同してくれる人たちに出会い、そこからありがたいことに輪が広がって、2009年8月「森羅特装シュラバスター」を地元で披露することができました。

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 順風満帆とは言い難い道中でしたが、いろいろな方に応援され支えられて13年、ここまで続けてくることができました。

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近年はコロナ禍と呼ばれる騒動のせいで、以前のように気軽に子どもたちに会いに行ける環境ではなくなってしまいましたが、形を変えても地元の子どもたちに楽しんでもらいたいという基本理念はブラさずに、コツコツ頑張っていこうと考えているところです。

 

◎「シュラバスター」という名前

尾張旭市とは縁もゆかりもない名前です。

「尾張旭でオリジナルヒーローを立ち上げよう!」と思い立ったものの、名前をどうしよう…と思いながら車を運転していた時に、とあるラジオ番組から耳に飛び込んできた名前がこの「シュラバスター」でした。

 

ヒーローものとは全く関係ない話だったのですが、この語感に一発で惚れこんでしまい、ラジオ局さんに連絡して「シュラバスター」という名前をオリジナルヒーローに使用して良いか相談したところ『商用目的でなければOKです。』という回答をいただき、元からこれで商売する気などさらさら無かったので、ありがたく使わせていただくことにした次第です。

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『森羅特装』という言葉は後付けですが、商標登録されている言葉を使ってしまわないよう慎重に進めた結果たどり着いた言葉で、『森』という漢字には尾張旭市の中でも大きな面積を占める「愛知県森林公園」にあやかって取り入れました。

早いもので、もう14年前の話です。

 

 【追記】◎シュラバスターはなぜ2人組なのか

シュラバスターはデビュー日こそ違えど構想段階から男女2人組です。

※(参考)風牙デビュー=2009年3月29日「ローカルヒーロー大決戦」

     楽姫デビュー=2009年8月 7日「あさひまん中夏祭り」

 

なぜそうしたのか?という質問は取材などされるときによく聞かれることなのですが、正直なところ「これ!」と言えるような回答が存在せず、おそらく『何となく。』というのが一番近いのかな?と思います(^^;

 

ただ2008年当時の自分の頭の中に『既存のライダーやスーパー戦隊とは極力被らないもの』という思いがあって、「単独」でもなければ「5人組」とかでもなく…というところで2人組(4人組も珍しいですが、当時そこまでキャストが集まる自信がなかったもので。)、さらにライダーだと女性キャラはとても希少だった(令和に入ってからは毎回女性ライダーがいますが)という部分が重なって、「男女2人組」というところに落ち着いた…と記憶しています。

 

ところが『ヒーロー側2人ならキャストも何とか確保できるだろう』という予測が甘かったことをすぐ思い知らされることになり、シュラバスターデビューから1~2年目ぐらいの間は常に出演者の確保に苦労し続けた気がします。

途中、何度『単独ヒーローにしておけばよかった…』と思ったことか(苦笑)

 

けれどもそこを乗り越えたら…

風牙さんの旧マスクがかなり昆虫チックだったこともあって、握手とかしに行くと子どもたちにドン引きされた(苦笑)中、楽姫はヒマワリとかオレンジ色とかがウケたのか割と彼女の周りに子どもたちが集まることが多く、でも風牙のところにもイカついもの好きな男の子たちが寄ってきてくれたので、結局ウチは男女2人組で正解だったのかな?と思うようになりました(^-^)

 

最初は2人組が3人組になる…といった構想もあった(未遂)のですが、ここはしばらくこのままでいいのかな?と思ってます。

 

◎「モチーフ」がないヒーロー

今だから言える話ですが、最初はガッツリ「森林公園」に絡んだ話にするつもりでした。

名前に「森」が入っているのもその名残です。

あれだけ広大で、尾張旭市民の憩いの場でもある森林公園。

それが「尾張旭市」ではなく「愛知県」のものである、と知るまでは(失神)

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子どもの頃から馴染みがあった場所で、それだけに「尾張旭市にあるんだから、尾張旭市が管轄するもの」と思い込んでいたのが最初の失敗で、なので森林公園を舞台にしようと思ったら相談する相手は尾張旭市ではなく愛知県だと知ったとき、シュラバスターは「モチーフがないヒーロー」になってしまいました。

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当時はまだ『おいしい紅茶の店 店舗数日本一』という話もない時代でしたし、ならば特産物は…と言えばかろうじてイチジク。

…イチジクでヒーローのデザインは全然思いつきません(なのでその後「仮面ライダー鎧武」でフルーツを被ったデザインを見たときは「やられた。」と思いましたがww)。

 

楽姫のほうは最初のデザインこそヒマワリが入っていませんでしたが、カラーリングを決めるときにメンバーに多数決をお願いしたところ『尾張旭の市の花はヒマワリだから、オレンジがいい』という意見が上回り(これも今だから言えますが、自分が推したのはピンクの配色でした)そのおかげで「モチーフがない」騒動の時に手や足や髪止めなどにヒマワリをあしらうことが出来て一件落着。

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ところが風牙は最初から緑一択だったので「森」が使えないとなるとさて困ったぞ、いや、でも楽姫がヒマワリ(=市の花)だったら風牙はクスノキ(=市の木)で行こう…ということになりました。

苦し紛れでしたが(苦笑)

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そういうこともあって、13年間で大きなデザイン変更が2回しかなかった楽姫に比べ、大小合わせると数えきれないぐらいチョコチョコチョコチョコとデザインを変えてきた風牙に「一貫性の無さ」が垣間見えてしまっています。

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と言いつつ風牙についてはパーツの経年劣化もあってそろそろ大掛かりなリペアが必要なのですが、今回はいっそのこと尾張旭の市章をあちこちに付けてやろうか、などと考えているところです。

 

◎ステージショーへのこだわり

自分に『ショーはステージの上から客席へ届けるもの』という思いがあり、しかもそれが強すぎてやや固定観念に近いものになっているせいで、シュラバスターは「ステージでのショー」にこだわりを持ってやってきました。

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もちろんそれ自体は大事なこだわりです。

が、そのせいで「ヒーローを魅せるその他の方法」をかなりの数で見落としてきたのではないか?という不安もあります。

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コロナ禍によって「人が集まる機会」が大幅に失われた昨今、ステージショーへのこだわりはそのままに、違う方法で「森羅特装シュラバスター」を子どもたちに届け、楽しんでもらう工夫も必要になったのだと感じています。

 

◎「ローカルヒーロー」という言葉

昔と比べて今は「ローカルヒーロー」という言葉もだいぶ一般的になりました。

ただ、その定義は相変わらず流動的で、我々のような手作り・手弁当で出掛けていくものから、地方自治体が主導して役場の皆さんが作り上げるもの、あるいは企業などが主導してテレビ番組にしてしまったものも、地方局限定で放送されれば「ローカルヒーロー」と呼ばれます。

かなり乱暴な括り方をすれば、テレビの全国ネットで放送されないものは全て「ローカルヒーロー」と言えてしまうのが現状です。

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そんな中、自分なりの1つの定義として『名前を聞けばその地方が連想できるヒーロー⇒ローカルヒーロー』というものがあります。

それで言えばヒーローの名前の中に地域名が入っているものが有利になりますが、それでも「超神ネイガー(秋田)」「琉神マブヤー(沖縄)」「鳳神ヤツルギ(千葉)」「超速戦士G-FIVE(群馬)」など、パッと思いつく「メジャーなローカルヒーロー」の中には地域名が入っていないものもわりと見受けられるので、一概には言いきれません。

翻ってシュラバスターはと言うと、尾張旭市民でもシュラバスターを知らない人のほうが大多数である現状から、まだ自信を持って『シュラバスターは尾張旭市のローカルヒーローです。』と言い切ることができないため、私自身はシュラバスターを「ローカルヒーロー」と呼んだことは非常に少なく、基本的に「オリジナルヒーロー」と表現しています。

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でも、やるからには胸を張って『尾張旭市のローカルヒーロー』を名乗りたい…という思いも持っていますので、精進の日々はまだまだ続きます。

 

 【追記】『会いに来てくれるヒーロー』

2000年台後半、とある大所帯グループが専用の劇場を作り『会いに行けるアイドル』というキャッチフレーズとともに大躍進を遂げた…ということがありました。

ならばヒーローショーはどうか?というと、基本的には特定のステージに「出演」という形で現れて、ショーなどを観てもらったあと、子どもたちがステージに向かって順番に並び、握手や写真撮影をして帰っていく形が一般的です。

自分も長いことそのスタイルでやってきたので、それが普通だと思っていました。

 

あるときシュラバスターでいつものようにショーを行ったあとステージで握手会…という流れで、ありがたいことにたくさん並んでもらえて、さてそろそろ列も終わりに近づいて…というときに、列からちょっと離れたところに車いすの男の子と、そのお母さんらしき人がこちらを見ていました。

 

『あれ?なんであの子は近づいてこないんだろう?』と思った次の瞬間、反省とともに恥ずかしい思いをしました。

『ステージに段差があるから上ってこれないわ、そりゃ。』

気がつかなくて申し訳ない。

列が終わりかけてもう自分が抜けても大丈夫だろうと思った風牙さん、男の子のところに走り寄って『来てくれてありがとう!』と言って(注:風牙は喋れるヒーローです)握手したところ、男の子とお母さんにとても喜んでもらえた…ということがあって、その時に『あ、これだ。』と感じたのが、その後の活動の基本線になりました。

 

『会いに来てくれるヒーロー』

 

世の中には、ヒーローが好きで会いに行きたいのに、いろいろ事情を抱えて会いに行くことができない子もたくさんいます。

そういった子たちのところへ自分から会いに行ける…というスタンスは、たぶん何のしがらみもないオリジナルのヒーローだからこそ出来ることだと思います(“公式さん”も彼らなりに事情を抱えてますので…)。

 

でも1点注意事項として、『ヒーロー』というものに子どもたちが抱く“期待値”を大幅に下回ってしまうと、「会いに来てくれた」事実より「思ってたのと違う…」ガッカリ感が上回ってしまって居たたまれないことになるので(苦笑)、衣装や小道具、あるいは立ち居振る舞い(やるのであればアクションの出来も)などには十分な注意が必要です。

 

◎これまでと、これからと。

かつて自分が「コウタレンジャーショー」の現場で受けた衝撃・尾張旭で実現しようとした景色は、規模こそまだまだですがそれなりに実現できたと考えています。

ただ、シュラバスターが及ぼした影響は非常に局地的かつ限定的で、尾張旭市民でもシュラバスターを知っている人はごく少数であり、何となくカルト的な存在である…という自覚があります。

他所のヒーローさんたちを見ると「隣の芝生は青く見える」点を差し引いても地域へ上手に展開されているところが多く、そういう点の努力がまだまだ足りていません。

PR面でのブレーンになってくれる人材を求めている部分はありますが、まずは自分が努力しないといけません。

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近年は「動画配信」が非常に身近なものになり、自分としてもシュラバスターを「動画コンテンツ」としてお届けできないか、と考えています。

クリアするべきポイントはいくつも残っていますが、ぜひ進めていこうと思っています。

 

また、シュラバスターを通じて大切にしてきた「ステージへ会いに行けない人たちのための、会いに来てくれるヒーロー」という部分は、これもコロナ禍によって思い通りに行けていませんが、何とかして守っていくべき基本コンセプトだと考えています。

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愛知県尾張旭市発『森羅特装シュラバスター』、今後の展開にもぜひご注目ください。

 

 (2022年4月22日 尾張旭ローカルヒーロープロジェクト代表 拝)